2012年8月18日土曜日

知足

暑いのかね?今年の夏は。
人一倍暑がりで汗っかきの私だが、今年はまだ一度も汗をかいていなかった。暑くて仕方がないと思う日もなかった。ただ、世間様(TVニュースやネット)が「今日は猛暑日でした」とか、「とても暑いです。熱中症にお気をつけください」 なんて言ってるのだから、間違いはないだろうと、「暑くて云々…。」と、書いたり、喋ったりしてました。

ごめんなさい。嘘ついてました。本当は、全く暑くありません。

でも、エアコンをガンガン効かせている訳ではありません。もう『暑さ寒さを感じ取る神経』が機能しなくなっているだけなのだと思います。悲しい事実を知ってしまった夏でした…。


抜け


最近、30分くらいなら起きていても平気になった。
やっと吐き気も収まり、座って固形物を食すようになってきた。
昨日辺りから、米飯食にしており、食べやすいように小さな俵型のおにぎりを主食にしていた。しかし、普通のおにぎりならば1個で済む量を、小さな俵にすると6個も作らねばならない。作り手が「めんどうである!変更しろ!」と要求を出してきたので、仕方なしと大きなおにぎりにかぶりつく事になった。
小さな俵型にしたのには理由があったのだが、それを作り手に説いても他人事と聞き流されるのは推測に易しい。小さな俵に一つ一つ海苔を巻くのは確かに面倒。大きなおにぎりと言っても今の私にとっての『大きな』であり、たかだか子供茶碗2杯とコンビニのおにぎりより少し大きいだけのおにぎりである。握るのはすぐに出来、海苔を巻くのも簡単である。

そして、夕食の時間となった。
メニューは、『おにぎり、冷奴(低蛋白の柔らかすぎる豆腐の醤油かけ)、おでん(大根と小さな薩摩揚げ1個にしらたき)、ジャガイモ素揚げ』である。そう、所謂腎臓病の低タンパク食である。
これがほぼ毎日の定番メニューである。多分、これからもずっと。生きてる限り。
とりあえずは食わねばならない。美味い不味いは無視して食わねばならない。体力をもどし、歩ける程度にはならないと、自力で通院も出来ない。改善のしようがないのだから。
恐る恐る大きなおにぎりに手を伸ばし、口元へ持ってきた。ゆっくりと、気を遣いながら用心深く口を開いていく。おにぎりにかぶりつき、一口噛み取った。
ああ、だいじょうぶだ。もう、大丈夫なんだ。私が心配していたのは、『ある程度口を開くと、嘔吐反射が誤作動する』というものだ。以前は、欠伸などしたら欠伸の最中であろうがかまわず「オエェー、」とるくらい、面倒な状況だったのだ。どうやらおさまっていたようで安心した。

事件はその後に起きた。
おでんという名を冠してはいるが、ただの薄塩味のうすめの輪切り大根を口に運んで囓った瞬間、前歯がポンッと抜け落ちたのだ…。本当に何の痛みもなく、何の抵抗もせず、決して硬くも厚くもない大根に負けたのだ…。

まあ『病気の一症候だから』と言われればそれまでなのだけれども、やはり寂しく悲しいものなのだ。個人的には。今に全ての歯が抜けるのもそうさきの話ではない。止めようがないのだから。

明日から美味い物を食べる事にした。腎臓病食はやめた。意味がないのはわかっていたのだが、ついつい希望を持ってしまっていた。腎機能不全は私の主病による症状によりなった物。悪くなれはすれ、良くなる事はないのだ。それならば、好きな物を食べ、美味い物を探して口にしておきたい。自分の歯が無くなる前に。

そう思った、夕食の後に。


友の声


radikoで友人の楽しげな声を聞いた。
最初はよそよそしく硬い声であったが、好きな物の話になったら、嬉しそうに、はつらつとした声になっていた。
大変に嬉しく、心和む。
落ち込みが少し晴れた気がしないでもない。

俺もがんばろう。そう思えない今の自分が恥ずかしい…。
ラジオ、聴きましたとメールするのが精一杯の自分が恥ずかしいのである…。

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