2012年10月26日金曜日

ナイショだけどね

娑婆に出てきて数日が経った。
まだ慣れない。環境の変化というか、採血も投薬の回診もない一日のリズムがつかめない…。
朝起きて、飯を食い終わったら何をすればよいのだろう。何とか時間を潰して昼になり、昼飯を食ったら何をするんだろう…。時間が長く感じられるのだ。

そんな贅沢な事を愚痴っていても仕方がないので、最初のリハビリに行ってきた。
最初に面談を受け、インターンみたいに若い主治医さんの診察を受けた。
「退院してから困っている事や、気になる事はありますか。」
そういわれたので、『物忘れやうっかりが多く、呆けてしまったのかもと悩んでいる』事や、『一日が長く感じる、やる事がない不安感』を隠さずにさらけだした。
ふんふんとうなずきながら聴いていてくれた若いお医者さん。最後まで聞いてくれて、カルテをパラパラとめくり、ちょっと顔を伏せ気味に呟いた。
「どうせだし…、いいかぁ…。」
その後、顔を上げてはっきりとした口調でこういった。

「○○さん。煙草、吸っていらっしゃいましたよね。それをやめたか減らしたみたいですが。それはよい事ですが。これから言うのはナイショですよ。煙草、やってください。身体よりも心の安定ですよ。リハビリで身体、煙草で心の安定。それでいきましょう。もう、無理に禁煙しても変わらないですから。」


もの凄く良いお医者さんである事はわかっている。優しさと知識と決断力のある良い先生だと。ただ…。
そう、ただ一つの欠点は、『日本語が上手く使えず、本音がたてまえの上に透けて見えてしまう』ことだろうなぁ…。
とりあえず、喫煙、はじめましたけどね…。

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